Invent or Die - 未来の設計者たちへ:第一回 書き起こし その2

8月24日(金)に開催された「Invent or Die - 未来の設計者たちへ:第一回」の書き起こしです。


夏野: ここにいらっしゃる方が色んな意味で、誰がどんな事喋ってるとか、どこかで有力なインフルエンサーかどういうことを話してるとか、結構感度が高い人が集まってると思うんですけど、何か不思議だと思うことありませんか、例えば民泊法ってできましたけど、明らかにある民泊潰し法ですよね?

あれ通っちゃうんだよね。本当に。Uberとか日本で使えない理由ないよね。誰も「川鍋が馬鹿だ!」って言わないの。何でかな?って、すごい思うんですね。一方で学生の中にもですね、「いやいや。それで皆がそうやって国会で議論してそういう風になったんだから、それなりの理由があるはずなんだよ。」とか、「昔から続いてることはそれなりに、それが受け入れられてるから続いてきたんだよ。」って言う人結構多いんですよ。

でも、紐解くとですね。どういうことかって言うと。例えば民泊を作る時にヒアリングする相手は旅館ホテルの人なんですよね。つまり利害関係者からその意見を組み上げて、利用者がいないんですよ。利用者がいないで汲み上げて、それで利害調整して「ほい!」で作るから新しいことに対して防衛的なものなっちゃうんですよね。完全ポジショントークの世界なんですよ。

もう一つ言うと例えば5Gとかで世界は変わらないっすよ。だけど別に僕は5Gで世界が変わんないって言うとですね「 NTT 出身でそんなこと言っていいんですか?」とか言われんだけど、変わんないじゃん。だって、そんな3Gだって世界は変わんなかったし、でも徐々に変わってくんですよ、エリアが増えてるから。でも、2020年に5Gで世界は全く変わりませんよ。

でも「変わんないよ。」って本当の事を言ってもメリットある人がいないと、何となく「5Gで世界は変わる!」って本気で信じている経団連の人がいっぱいいるわけですよ。個別具体的には言わないんだけど、皆が言ってるからって言って「やっぱりすごいことが起こるんだ。」て言って世界の通信業界5Gに期待してんだけど何も起こりませんよ。そんな10年ぐらい経ったら「あ~変わったな。」と言うかもしれないけど、なくとも5G導入で何も変わんないんでしょ。

日本ってなんか本質的な議論が中々表に出ないままいろんなことが決まっていって、それがさっきの中島さんのあのグラフに出ている、やっぱり1995年以降ほとんど成長してない。1995年の日本の GDP と2017年の日本の GDP は何と0.8%しか成長してないんですよ。人口は0.9%増えてるんで生産性落ちてるんですよ。こんだけITが出てきたのに。

だから、実はですね、日本はすごいことをこの20年でやってしまいました。人類史上初めて、技術の進化が生産性の向上に結びつかない例をこの20年の日本作っちゃったんですよ。


こんなのマズいな、その原因が本当のことって何なのとか、本音ではどうなのとか、本当だよったらどうなるべきなの?とかいうシュミレーションとか議論とか大っぴらにされていない。新橋の飲み屋で意外にされてたりするんだけど、それは単なる愚痴の世界で終わってるわけですね。ということでこれシンギュラリティという言葉を聞くとですね、皆怖いとか、すごいとか、色んな想いあると思うんですけど、やっぱり技術的な大きな転換点を我々これから迎えるし、実は今までも向いてるんですけど、この技術的な大きな変異点、転換点っていうのを、ちゃんと意識して「我々の人間の仕組みを一番いい物って何なんだろう?」っていうのを常に考えることが、もう今の日本に、あるいは世界に重要なことで、だって79億人の人口いたらやばいよね。 でも殺すわけにいかないでしょ。じゃあ、どうすんの?っていうのは国連だってタブーだけど、こういう話をしていきたいと思うんですよね。

本当にこれでいいのかって言う事をいろんなところにぶつけて行って。で、まったくタブーなく・・・

中島:はい、タブーなく

夏野:タブーなくいろんなこと議論できるソサエティができるといいなコミュニティができるといいなっていうのは僕の期待です。で、そういうコミュニティの条件はただ一つですよ。

言葉尻とらえて Twitter とかにあげて、僕を炎上させのはやめて下さい。

これは朝日新聞書評と呼びますけど、つまり長い事喋ってんのに一番やばいところだけを取り出してそれで、がーってやる。これが朝日新聞手法なんだけどさ、まー、フェイクニュース手法なんですけど、これはこのコミュニティではないようにしたいなと、ぜひお願いしたいと思います

中島:このあといくつかスライドを作ってきたんですが、そのスライドにはタイトルしかないです。中身がない。で、まあの対談相手が良ければ中身は作れてしまうのではないかなという、スライドの作り方をしてきて、一枚目は iモードについて。古い話ですけど、やっぱりその NTT っていう堅い会社から、世界初のモバイルインターネットが出たんです。

で、この前ちょっと、私、話したんですけど、ちょうどその2000年に会社を作ったばっかりで、UIEvolutionって会社なんですけど、その会社を何とか目立たせたいと思い、その CTIA っていうアメリカのね、ワイヤレス業界のカンファレンスで喋るネタを、なんとかしゃべるネタを出すと、そのネタの面白さによって採用してくれたり、採用してくれなかったり、面白そうなネタだと、でかい部屋をもらえるので、頑張って言って、私全然 iモードと docomo とも何の関係もなかったのに、iモード・エボリューションとかいるタイトルで 、UIEvolutionって会社だったので、日本で、モバイルインターネットで 何が起こってるか、っていう話す計画を出したら、ものすごく喜んでもらえて、三千に入る部屋をあてがわれたと。で、行ってみたら満員だったっていう経験があって、うちの会社は iモードのドコモさんと、何もしてないのに、iモードっていうのが日本で起こっていて、そこでその釣りバカ気分っていうゲームがあって、こんなに面白い話を手振りでしたら、もう大ウケしちゃって、そのためうち会社を結構有名になったという恩がある。

夏野:知らなかった。

中島: あの夏野さんのやつですけど、やっぱり、どうやってあの固い重鎮ばかりがいる会社の中で、あんなことができたのかな

夏野:やっぱり人と金と技術って、この3点セットが揃ったって言うタイミングに何をするかってことだと思うんですよね。人、金、技術。つまり、その当時の docomo ってなんか今のイメージと全然違うんですよ。

その当時の社長が NTT が大嫌いな社長なんですよ。大星公二っていう人で、この人は、最初のドコモの社長なんですけど、この人は会長になってから、もう公演で「ひとつだけやり残した仕事がある。それは社名から NTT を取ることがだ」って、言いまくっている人で、めちゃくちゃなおっさんだったんですけど、このおっさんがやれって言ったわけですよ。

何も関係ない。手段は問わない。外から人とってきてもいいし、金もいくらでも使っていいから、インターネットと携帯繋げと。こういうクレイジーな、クレイジーな論拠は何かっていうと、音声だけでやってたら、どうせ、先詰まっちゃうから、もう誰もやってない、新しいことやんないと、この会社は一番を維持できないっていう。正しいですよね。

中島:それすごいビジョンですね

夏野:その97年に言い出しているわけですよね。

中島:いくつぐらいの人だったんですか?

夏野:おっさんね、当時いくつだったんですかね〜。60くらいじゃないですかね。尖っている人は、死ぬまで尖っていますから。銀座のクラブとか行くとね、70ぐらいの女口説いてますよ。毎晩着て、ガンガン酒飲んで。年齢関係ないです。20代でも全然野望持ってない人もいるし、70になっても女性、口説いてるのもいるら、まあいいんですけど。その時に、もう手段は問わないから、当時、通信業界にインターネット詳しい人誰もいなかったんですよ。実は僕はあのその前に、インターネットベンチャー立ち上げて、日本で初めてのインターネットベンチャー企業ですね。その後社長が社長失格っていう本を書くんですけど、その副社長やってたんで、だから一番インターネットの先駆けだったんですね。で、ネットをわかってる人間を取って来いって言ってとられた、つられたんですね。で、倒産しちゃったから僕の会社。だから、失敗したからなんですけど。人が揃ってるんですよ。もう手段は問わない。金はあるわけですね。で、金も、結構ごまかしが効いて、決裁権限がね、あの部長がいたんですけど、その人の決裁権限が9億9千万まで、相談しなくても使えるんですよね。だから伊藤忠の、テクノ、、、なんだ?

中島:CTC

夏野:CTCとネゴって、CTCってNTT の仕事、やったことないから、とにかく9億8850万とかにして、10億を超えるとめんどくさいって、で、やっちゃった。もう全部、自分たちが思うように作ったわけです。なんでそれができたかっていうと、誰も成功すると思ってなかったからなんです。そんな変な奴らが集まってやってるから、あの外人部隊と、志願兵って言われてましたからね。社内公募できた若い社員と、僕みたいな外人部隊、外人部隊と志願兵で新しいビジネスを作るから驚異にならないんで、ほっとかれるわけなんです。何か新しいことやろうとか言っても、 どうせ成功しないから、いいでしょうってほっとかれるわけですね。

なので好き勝手にできた。で、人と金。そこにちょうどネットが、まあいろんな形で、社会に入り込むタイミングだったんですね。実は日本のネットの歴史って、98年ぐらいから始まるんですよ。98年っていうのが、 Google が検索始める年だし、松井証券が証券取引を始めるとか、航空会社がインターネット予約は出来るとか、いわゆる、今できてることが出始めるのが98年なんですね。 97,96だと、これまたタイミング駄目だったんですけ、つまり技術が色々出てきて、一気にインターネットが社会に浸透するそのタイミングに、 人とお金があって一気にいっちゃったっていうのが、あの成功の最大原因だと思うんですが、その頃の世界の携帯電話市場はNokiaっていうダークサイドに堕ちた人たちの集団があったんですけど、このNokiaとか、エリクソンっていう人たちは、インターネットを通信業界に入れたくない派だっんですね。で、僕はインターネットと通信を融合させるのがミッションで、インターネット派なんで、だから勝手にやっちゃったんですけど、世界の通信業界が何で乗り遅れたかっていうと、インターネットが入ってくるのはまずい。NokiaのCTOにはっきり僕は言われたんですけど、「 Microsoft に乗っ取られたら困るからインターネットとはそのままつなげないんだ」って言われました。後にNokiaは Microsoft に買われます。

そういう状況でしたね

中島:おもしろいですね。その僕にとってみると、そのiモードっていうのは、本当になんか、一瞬でしたけど、日本がその後の世界をリードする大チャンスだったんですよね。

夏野:ただ、役員、20何人いて、英語できるのが二人とかね。NTT だもん。英語なんかできるわかないじゃないですか。2代目の社長は、一応エセ  MBA を取ってるけど、試験を受けないMITのMBAとってんですけど、通訳使ってましたからね。また立川さんって言うんですけど。 だから、やっぱ無理でしょ。経営者じゃないです。サラリーマンです。 だから、その大星さんっていう1代目の人は、経営者でしたね。

中島:そうですね。

夏野:経営者でしたね。すごかったです。

(続く)