引用「夏野剛氏に直撃! これからの2年とニッポンの未来

夏野剛さんを取材した日本オラクルの特集記事が非常によくできていたので、以下に引用させて頂きました。

慶應義塾大学政策・メディア研究科 特別招聘教授で日本オラクルの社外取締役も務める夏野剛氏が、日本オラクルの気鋭のエンジニアと座談会を行ったという記事です。

テーマは「テクノロジーが果たす将来的な役割や、これからの日本社会を支える若者の働き方について」。

(以下、 https://www.oracle.com/jp/corporate/features/pr/natsuno-takeshi-talk-2020-workstyle.html より抜粋)


原智宏(日本オラクル株式会社 執行役員 ソリューション・エンジニアリング統括) 夏野さんは東京2020オリンピック・パラリンピックの組織委員会参与を務めていらっしゃいますが、開会までのあと2年で、ITでできることはありますか。

夏野剛 2年間というタイムスコープで考えると、これから出てくる新しい技術は安定性の観点で不安が残るので、オリンピックで使うのは難しいんです。むしろ社会にどれだけ新しいアプリケーションを実装できるかの方が重要でしょう。実際、東京オリンピックを契機として日本社会は大きく変わりつつあります。たとえば日本に来る外国人観光客は2006年には約730万人だったのが2017年には2,800万人以上と、短期間で大幅に伸びています。オリンピックが1つのターゲットになっているわけなんです。また働き方改革も盛り上がっていますが、こうした難しい問題の解決に向けた動きが生まれているのも、オリンピックというターゲットがあることがすごく大きいでしょう。テクノロジーの観点で言えば、たとえばオリンピックに合わせて自動運転の実証実験を行うとトヨタ自動車が発表しました。このような新しい技術の採用など、オリンピックは社会がマインドチェンジする大きなチャンスだと思いますし、そこでITが果たす役割は大きいのではないでしょうか。

 オラクルではAIやAutonomous(自律型)といったテクノロジーの活用に積極的に取り組んでいて、すでに「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud」*などを発表しています。特に日本のマーケットに関しては、既存システムの維持管理に大きな労力が割かれているため、AIやAutonomousといったテクノロジーによって現状の業務の負担を軽減することが私たちのチャレンジの1つだと考えています。

- 自己管理(Self-managing)、自己保護(Self-securing)、自己修復(Self-repairing)を特長とした「Oracle Autonomous Database」で提供されるクラウドサービス。機械学習により、煩雑な構築、管理、運用を簡単にし、業界をリードするテクノロジーに基づく優れたパフォーマンス、セキュリティ機能、高可用性を低コストで提供。

夏野 これまでのところ、そしてこの先2年間の見えているところでは、ポジティブな効果が出ていると思うんです。日本の上場企業の内部留保は400兆円を超えていて、企業経営者の多くが守勢になりがちです。ただ、そのお金を回すことがすごく重要で、そこでオリンピックはすごく大きな役割を果たしています。この流れの中で、オラクルのAIやAutonomousといったテクノロジーを活かし、従前の維持管理業務から新たな価値を生み出すイノベーションへと方針転換されるといいですね。

 最近、「日本型タテ社会」の限界を示唆する問題や事件が話題になりました。そうした社会を変えていくのは若手や女性なのかなと思いますが、そうした人たちにメッセージはありますか。

夏野 やっぱりやる気がある人がアウトプットを出し続けられる社会の方がいい。現状を変えられるのは、やはり20代や30代。失うものが大きくない人たちですよね。逆に40代を超えると、守るべきものが大きくなって、変えたくないと考えてしまう。それはどんな世代でも一緒なんです。ただ、その中でも1割は残る。僕なんて50を超えた今でも戦ってますからね(笑)。そういう前提で、やる気がある人はいくらでもチャンスがあるという世の中を作るべきだと思っています。少なくともベンチャービジネスの世界はそうなった。今はベンチャーキャピタルが投資するときに、年齢なんか関係なくなっている。「むしろ若い方がいい」って言っているくらいですから。