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Singularity Societyを立ち上げた理由

もともと私は新しいものが好きなので、それゆえに、プログラミングなどに誰も見向きもしなかったパソコンの黎明期に、プログラミングの楽しみを覚えることができました。結果として、学生時代に、Gameコンパイラ(世界初のオープンソースなコンパイラ)、CANDY(世界初のパソコン用 CAD)などを世の中に送り出すことができました。

早稲田の大学院を卒業した後は、一度は教授の勧めでNTTの研究所に入ったものの、1986年に Microsoft の日本法人ができた途端に(教授に相談もせずに)転職してしまうという、「掟破り」な若者でした。当時のNTTは、バブルのまっただ中だったこともあり、株価総額が世界一の超優良企業で、そんなエリートコースから外れて、当時はベンチャー企業でしかなかった Microsoft に転職するなど、世の中の「大人」たちから見れば、「無謀な行動」でしかなかったのです。

その後、1989年には米国に渡り、Windows95 と Internet Explorer 3.0/4.0 という「世の中を変える」製品の開発に関われたのはとても幸運でした。その後、シアトルで起業したり(UIEvolution 、現在は Xevo)、アルファブロガーに選ばれたり、iPhone アプリをいくつもリリースするなど、エンジニアとしてとても楽しい人生を送ることができました。あのまま NTT にいた場合に送ったであろう人生とは大違いです。

そんな私から見ると、今の日本は危機的な状態がにあります。90年代から普及し始めた、パソコン・インターネット・スマートフォンにより、世の中の仕組みは大きく変わりました。にも関わらず、日本では旧態依然とした時代遅れなシステム(新人の一括採用、年控序列、経団連、天下り、護送船団方式、経営陣から構成される取締役会など)がいまだに幅を効かせているからです。

いくつか元気なベンチャー企業が生まれたとはいえ、まだまだ小粒で、その多くがソーシャルゲームやFXなどの「搾取ビジネス」に手を染めるという有様です。技術革新の中心的な役割を担っている、Google、Amazon、Facebook、Microsoft、Apple、Netflix などのグローバル企業とまともに渡りあえる日本企業は存在しません。

90年代に始まった技術革新による世の中の変化のスピードは、今後、人工知能・ロボット・AR/VRなどの進歩により、さらに加速します。そして、IT業界にとどまらず、メディアから小売業まで含めた、あらゆる業種が技術革新により大変化を起こす、まさに「シンギュラリティの時代」がやって来ようとしているのです。

スマートフォンやインターネットをまともに使えない経営者が経営する旧態依然とした会社は、20年代にはことごとく淘汰されると考えて間違いありません。シャープや東芝に起こったことは他人事ではないのです、戦後の高度成長期の日本を支えた大半の企業が、すでに「茹でガエル状態」にあるのです。

そんな日本を見ていて、私が本当にもったいないと感じるのは、そんな茹でガエル状態の大企業に埋もれてしまっている優秀な人材です。シリコンバレーのようなベンチャー企業を育てる土壌のない日本では、未だに「一流大学を卒業して一部上場企業に就職する」という「敷かれたレール」から自ら外れることには大きなリスクが伴い、それが人材の流通を著しく妨げているのです。

この問題を解決するために何か私にできることがあるのではないか、と考えてきました。すでに、私は、ブログやメルマガを通じて、様々なメッセージを送ったり、自分自身でベンチャー企業をいくつか立ち上げてもいますが、もっとできることがあるように感じています。

その一つが、2016年ごろに堀江貴文さんに勧められた「オンラインサロン」です。オンラインサロンに問題意識の高い人、大企業に埋もれてしまっている優秀な人材、ベンチャー企業を立ち上げたものの方向性で悩んでいる人、などを集め、そこでいくつかのプロジェクトを実際に走らせることにより、企業をまたいだ人材交流の場を作り、将来の日本を、そして世界を担う人材とベンチャー企業を育てようという発想です。

オンラインサロンにすぐに踏み切れなかった理由は、それを営利事業として行うことに、私自身が納得できなかったからです。そんな場の主役は、あくまで集まったメンバーであるべきで、それを「株主のために利益を上げること」が目的である営利事業として行うことに矛盾を感じていたのです。

しかし、今年の初めにある人から、「NPOとして立ち上げるのが良いのではないか」と勧められた時に、それまでバラバラだったパズルが、パチンと音を立てて合わさるイメージが頭に浮かびました。

非営利団体としてオンラインサロンを立ち上げるのであれば、そこに矛盾は生じないし、そこから生まれたアイデアやプロトタイプをベースに企業を立ち上げる時にだけ、必要に応じてそこを営利事業としてスピンアウトすれば良いのです。

以上が、2018年にシンギュラリティ・ソサエティを NPO として立ち上げた理由です。

ミッション

90年代の初めのバブルの崩壊から始まった日本の「失われた10年」は今世紀に入っても続き、今や「失われた30年」になろうとしています。その時期と、パソコン・インターネット・スマートフォンによる社会の大変化の時期とが重なっているのは偶然ではありません。

バブルのピークだった1989年には、世界の時価総額ランキングのトップ10に、NTT、興銀、住友銀行、トヨタ自動車、東京電力など日本企業7社が並んでいました(参照: http://leohendrix.tokyo/archives/501 )。

しかし、2024年の時点でのトップ10からは日本企業は消え、Apple、Amazon, Microsoft, Alphabet(Google)、Meta、NVIDIA など、テクノロジーと人工知能を活用してビジネスをしているグローバル企業ばかりが並んでいます。

つまり、パソコンやインターネットが普及し始めた1990年代を境に、世界経済の仕組みは大きく代わり、その変化を自ら作り出した米国のテクノロジー企業は大躍進し、それに乗り遅れた日本企業はことごとく衰退したのです。

日本は、戦後の高度成長期に作られた、終身雇用、年功序列、新卒の一括採用、経営陣から構成される取締役会、護送船団方式、経団連、官民癒着、天下り、などの仕組みが大きな足枷となって企業の新陳代謝が進まず、国全体の国際競争力が大きく低下してしまったのです。

このテクノロジーを中心にした世界経済の変化は、今後もさらに加速します。2020年代は、人工知能、自動運転車、ドローン、ロボット、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)などの進歩により、移動手段、物資の流通、小売、接客、防犯、コミュニケーション、働き方などが根本的に変わります。

シンギュラリティ・ソサエティは、人工知能やテクノロジーが人間の能力を超越するシンギュラリティの時代を見据え、その波に乗り遅れることなく、またその波をリードするリーダーを育成することを使命としています。私たちは、特定のテクノロジーの進歩だけではなく、テクノロジーがもたらす社会全体の変化を深く理解し、これを最大限に活用する能力を持つ新世代のリーダーの育成に注力しています。

日本が直面している「失われた30年」の問題と、テクノロジー企業の台頭による経済構造の変化を背景に、シンギュラリティ・ソサエティは、テクノロジーを中心とした新たな経済の波に適応し、それをリードするための人材育成、ネットワークのプラットフォームを提供します。我々の活動は、最先端技術の活用に留まらず、社会課題の解決、企業のイノベーション促進、そして個人の創造性と能力の発展を目指すものです。

シンギュラリティ・ソサエティ内の各種プロジェクトへの参加や、半年間の長期ハッカソンブートキャンプを通じて、参加者は実用的なアプリケーションやサービスの開発だけでなく、社会の変化に対応するための深い理解と、それを実現するための技術的スキルを身につけます。このプロセスでは、テクノロジーの急速な進化に対応するための知識とツールの提供に加え、明るい未来を創造するためのビジネスチャンスの発見も重要な要素です。

シンギュラリティ・ソサエティは、デジタルネイティブな世代がテクノロジーを駆使し、新たな時代の起業家として世界をリードする力を持つための場を提供します。勉強、議論、情報発信、ネットワーク作り、起業支援を通じて、テクノロジーがもたらす「暗いもの」ではなく「明るいもの」を実現することを目指しています。この使命のもと、シンギュラリティ・ソサエティは、未来を担う人材の育成と、テクノロジーを用いた社会の革新に貢献していきます。

現在の活動

当初はオンラインサロンとして、Slack上での議論と、不定期に開催される対談とセットで行われたオフ会を中心に活動してきました。様々な議論のなかからアイデアを元に実際のアプリケーションやサービスを開発、運営するプロジェクトドリブンの活動にシフトしてきました。
2020年からのコロナ禍の影響で、活動を本格的にオンラインへ移行し、オンラインサロンからプロジェクトベースの非営利団体として活動しています。

大学、自治体、企業と連携しMaaSの提供、AIの技術を応用したアプリケーションの開発、コロナ禍の飲食店をサポートするためにテイクアウト支援サービス、高齢化社会の課題解決のハードウェア、Web3の問題点を発見し、それを克服するための実験的サービスなどシンギュラリティ・ソサエティ独自にサービス、プロジェクトを開発、運営しています。
その過程で、会員の属する会社では中々できない新しい技術的なチャレンジを様々な経験やノウハウを得ることができます。また利益を追求する営利法人ではできないような社会課題解決に挑戦することも可能です。プロジェクトに参加することにより会社や組織を超えたネットワークを構築することができます。

シンギュラリティ・ソサエティ独自のサービス、プロジェクト以外にも

を開催し、多くの開発者やアントレプレナー、ソーシャルアントレプレナーを繋ぎ、世の中に新しい価値を提供する活動を行っています。